【設計・改良】機械設備の自動化!ロボットシステムの導入前の検討ポイント・選定・留意点
【設計・改良】機械設備の自動化にロボットシステム導入!検討ポイント・選定・留意点について
近年の労働力不足や生産性向上への要請から、工場や生産現場での作業の自動化・無人化が進められています。その中核を担うのがロボットシステムの導入です。
こちらでは、ロボットシステムの導入前の検討ポイント、ロボットシステムの選定、ロボットシステムを導入する際の留意点についてご紹介します。機械設備の設計・改良をお考えなら、DESIGN CONNECTSにご相談ください。
ロボットシステムの導入検討

現状の課題と目的の明確化
機械設備の自動化を検討するにあたり、まず現状の課題を明確にすることが重要です。例えば以下のような課題があると考えられます。
- 作業者の高齢化による作業効率の低下
- 単純作業の多さによる人件費の増加
- 設備の老朽化に伴う故障や事故のリスク増大
こうした課題を踏まえ、自動化の目的を明確にします。
- 生産性の向上
- 人件費の削減
- 安全性の確保
など、どのような目的を達成したいかを具体的に定めることが、ロボットシステム導入の第一歩となります。
作業工程の分析と自動化対象の特定
ロボットシステムを導入する際には、まず既存の作業工程を細かく分析し、自動化の対象となる工程を特定する必要があります。分析にあたっては、以下の点に留意しましょう。
- 各工程の作業内容と時間
- 作業者の動作や移動の有無
- 設備の稼働状況
これらを整理し、表やフローチャートなどを用いて可視化することで、自動化による省力化効果が期待できる工程が浮き彫りになります。また、作業環境の安全性や生産性向上の観点からも、自動化の優先順位をつけることができます。
要求仕様の洗い出し
要求仕様の洗い出しでは、ロボットシステムが満たすべき機能や性能を明確にします。
主な項目としては、以下のようなものがあります。
- 作業対象(製品の形状・重量など)
- 作業内容(搬送・組立・検査など)
- 作業タクトタイム(1サイクルあたりの所要時間)
- 生産量(1日あたりの必要数量)
- 作業環境(温度・湿度・粉塵など)
- 安全性の確保(非常停止・安全策など)
- メンテナンス性(部品交換の容易さなど)
ロボットシステムの導入目的に合わせて必要な項目を拾い上げ、具体的な数値目標を設定します。
ロボットシステムの選定

ロボットの種類と特徴
ロボットには主に以下の種類があります。
- 産業用ロボット:工場の自動化ラインなどで活躍。アーム型やスカラ型など様々
- サービスロボット:人の生活を支援する用途で使用。清掃ロボットや介護ロボットなど
- 特殊用途ロボット特定の目的のために製作。災害対応ロボットや宇宙探査ロボットなど
産業用ロボットは高い作業精度が求められる一方、サービスロボットは人との親和性が重視されます。また特殊用途ロボットは過酷な環境下での稼働が必要とされる場合があります。このように目的に応じてロボットの種類や仕様を検討する必要があります。
システム構成の検討
ロボットシステムの導入検討においては、ロボット本体だけでなく、制御機器やソフトウェア、周辺機器などの構成を検討する必要があります。
例えば、ロボットの種類によって必要な制御機器が異なります。
- 産業用ロボット:モーションコントローラ
- 協働ロボット:タッチパネルなどの操作端末
また、作業対象物の搬送装置や、ロボットの動作を監視するカメラシステムなどの周辺機器の有無も検討します。さらに、生産管理システムとの連携を図るためのソフトウェアについても検討が必要です。
このように、作業の自動化を実現するためには、ロボット単体だけでなく、様々な構成要素を組み合わせたシステム全体の構築が求められます。
コスト検討
ロボットシステムの導入にあたり、コストについて慎重に検討する必要があります。主なコストとしては、以下のようなものが挙げられます。
- ロボット本体費用
- 周辺機器費用(コントローラ、ティーチングペンダントなど)
- 設置工事費用
- システム設計費用
- 運用保守費用
特にロボット本体とシステム構築費用が大きな割合を占めます。長期的にみれば、ロボット導入による人件費削減効果で投資コストを回収できるかがポイントです。また、システム更新費用も見込む必要があります。
このように、導入から運用までのトータルコストを検討し、費用対効果を十分に検討することが重要です。
ロボットシステム導入の留意点
設置環境の準備
ロボットシステムを円滑に導入するためには、設置環境の準備が重要です。まず必要なスペースを確保し、ロボットの設置場所を決定します。次に電源や配線、空調設備などのユーティリティを整備します。
また、安全対策も欠かせません。ロボットの動作範囲には安全フェンスを設置し、非常停止装置の設置場所なども検討します。さらに、作業者のための保護具の準備や、緊急時の対応マニュアル作成なども行います。
このように、機械設備へのロボット導入には、設置場所の確保や安全対策など、様々な観点から環境を整える必要があります。
システムの設計開発・製作
ロボットシステムの設計開発・製作では、要求仕様にもとづいてハードウェア・ソフトウェアの具体的な設計を行います。
ロボット本体の設計では、作業領域、可搬重量、位置決め精度など性能面の検討が重要です。また、周辺機器の設計も欠かせません。
周辺機器の例
- コンベアやパレットなどの搬送装置
- ビジョンセンサーや各種センサー
- 制御機器(PLC、制御PC)
- 安全機構(安全柵、非常停止スイッチなど)
ソフトウェア設計では、動作プログラムの作成が主な作業となります。シミュレーションによる動作確認や、試作機による実証試験なども行われます。
設計が完了したら、実際の製作・組立工程に移ります。最終的な動作確認テストを経て、現場への設置が行われます。
導入後の運用・保守
ロボットシステムを導入した後の運用・保守は重要なポイントです。定期的な保守点検を実施し、機器の異常を早期に発見・対処することが不可欠です。
また、作業者への教育・訓練も欠かせません。操作マニュアルを整備し、安全運転の徹底を図るとともに、トラブル発生時の対処方法を周知しましょう。
さらに、継続的な改善活動を推進することで、生産性や稼働率の向上を目指します。作業データの収集・分析を行い、運用上の課題を抽出し、ロボットの動作プログラムの最適化などを図っていきます。
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