【生産設備・設計】自動化システム導入の目的・効果と導入の手順

生産性向上

自動化システムを導入することで、生産性を大幅に向上させることができます。

例えば、ロボットを使えば以下のようなメリットがあります。

• 正確な動作が可能で、ミスが減少する
• 休憩が不要で、連続稼働が可能
• 高速・高精度な作業が可能

つまり、省人化による人件費削減や、生産リードタイムの短縮などによる生産性向上が期待できます。また、熟練技能者の不足への対策としても期待できます。

さらに、人手と自動化システムを組み合わせた作業の分担により、人手が高度な作業に専念できるようになります。その結果、従業員の生産性が向上し、企業全体の生産性アップにつながります。

品質向上

自動化システムによる品質向上の効果は大きいです。

ロボットなどの自動化システムは、人手作業に比べて

• 正確な動作の繰り返し
• 作業工程の標準化

が可能です。これにより製品の品質のバラつきを防ぐことができます。

また、自動化システムでは作業データを記録・管理できるため、品質トレーサビリティにも役立ちます。さらに、人手作業では困難な検査工程を自動化することで、より高度な品質管理も実現できます。

このように、自動化システムの導入により製品の品質が大幅に向上し、お客様満足度の向上にもつながります。

人手不足対策

生産年齢人口が減少する中、製造業では慢性的な人手不足が課題となっています。自動化システムの導入は、人手不足への有効な対策の一つです。

例えば、単純作業の自動化により人手を他の付加価値の高い業務に振り分けることができます。また、危険な作業の自動化は、作業環境の改善にもつながります。さらに、24時間無人運転などにより、稼働時間の大幅な延長が可能です。

加えて、人手不足の深刻な中小企業においても、自動化システムの導入により、製造現場の生産性向上や人材不足の解消が期待できます。

自動化を実現するツールとして、ロボットやIoT、AIなどの先進ツールの活用が重要です。繰り返し単純作業やデータ処理など、機械のほうが適した作業に、積極的に自動化を図ることが求められています。

コスト削減

自動化システムを導入することで、人件費の削減や製品の無駄な廃棄を防ぐことができ、大幅なコスト削減が期待できます。

人件費の削減

ロボットは24時間稼働が可能で、労働時間の制約を受けません。夜間や休日でも無人運転が可能なため、人件費を大幅に削減できます。

製品廃棄ロスの削減

ロボットは同じ動作を正確に繰り返すことができるため、製品の品質が安定します。従来の人手作業に比べて、不良品による廃棄ロスを最小限に抑えられます。

このように、自動化システムの導入によりコスト削減が見込め、生産性向上にも大きく寄与します。

1．現状分析と課題抽出

自動化システムを導入する際の第一歩として、現状の生産ラインにおける課題を正確に把握することが重要です。そのために、次の3点を分析・評価します。

生産効率

• ボトルネック工程の有無
• 人手を要する工程の有無
• 設備の稼働率

品質面

• 不良品の発生率
• 人為的ミスの発生頻度

人的資源

• 従業員の年齢構成
• 人手不足の状況

これらを客観的に分析し、改善の必要性・優先度を明確化することで、自動化システム導入による具体的な効果を見積もることができます。

2．導入目的の設定

自動化システムを導入する目的を明確化することは非常に重要です。一般的によく挙げられる目的には以下のようなものがあります。

• 生産性向上：人手を介さずに連続稼働が可能になり、生産量が増える
• 品質向上：自動化により、ばらつきのない均一な品質を実現できる
• 人手不足対策：人手を介さずに作業を行えるため、人手不足を補完できる
• コスト削減：省人化が可能になり、人件費などのコストを削減できる

このように、自動化システムを導入する目的を明確に定めることで、適切な機器選定や、導入後の運用が円滑になります。

3．適切な自動化システムの選定

自動化システムの選定では、導入目的に合わせて最適なシステムを選ぶ必要があります。代表的な自動化システムは以下のとおりです。

• ロボット（産業用ロボット、協働ロボット）
• 搬送システム（コンベアライン、AGVなど）
• 工程自動化（NC工作機械、組立自動機など）
• 生産管理システム（製造実行システムなど）

目的に応じて適切に組み合わせることで、より高い自動化効果が期待できます。例えば生産性向上を目指す場合は、ロボットと搬送システムを組み合わせるなどの工夫が考えられます。

4．設計・製作

自動化システムを導入する際の設計・製作段階は非常に重要です。この段階では、専門的な知識と経験を有するメーカーやシステムインテグレーターと綿密に打ち合わせを行います。

具体的には以下のようなプロセスを経ます。

1. 仕様の確認
2. 設計（機械設計、電気設計、制御設計）
3. 製作（部品の発注・加工・組立）
4. 試運転・調整

各工程でエンジニアの関与が欠かせません。高度な技術力が求められるため、信頼できるメーカーを選定することが重要です。

5．導入・運用

自動化システムの導入後は、適切な運用が重要になります。まずは導入前に立てた目標値や指標を設定し、定期的に運用状況を評価することが大切です。

目標値の設定例

• 生産性向上率20％
• 不良品率削減5％以下

評価の際は、目標値に対する達成度合いを確認します。目標を大きく上回れば、より高度な自動化を検討するなど、さらなる生産性向上に向けた取り組みを行うことができます。

一方で、目標値を下回る場合は、その原因を分析し、是正対策を検討・実施する必要があります。自動化システムの調整や周辺環境の改善など、様々な対策が考えられます。

このように、自動化システムの導入は一過性のものではなく、日々の運用管理とPDCAサイクルを回す継続的な取り組みが不可欠となります。

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