【工場・工程】自動化の進め方と成功させるポイントとは
【工場・工程】製造現場の自動化で失敗しない進め方!成功させるポイントもご紹介
製造現場における自動化は、生産効率の向上、品質の安定化、人件費削減、人手不足対策など、様々なメリットがあります。しかし、いきなり工場全体を自動化するのは非常に難しい課題です。
そこでこちらでは、自動化の進め方と成功させるポイントについてご紹介します。工場などの製造現場にて、工程を自動化したいとお考えの方は、DESIGN CONNECTSにご相談ください。
自動化の進め方
現状の把握と分析
製造現場の自動化を進めるうえで、まずは現状を正しく把握し分析することが重要です。
具体的には、以下のような課題となっている点を確認する必要があります。
- 生産ライン全体の流れと工程
- 各工程の作業内容と人員配置
- 納期遵守状況や生産性
など
こうした現状分析を行うことで、自動化が必要な工程が明確になり、自動化によるメリットも把握できます。
分析の際は、現場作業員の声も参考にするとよいでしょう。自動化によって、どのような課題が解決され、どのような利点があるかを把握できます。
自動化対象工程の選定
自動化対象工程の選定にあたっては、まず現状の業務フローや作業の流れを可視化する必要があります。フローチャートやタイムチャートを活用し、以下の3点に着目して分析を行います。
- 部材を探す作業
- 運搬する作業
- 作業間の待ち時間
これらの「ムダ作業」を洗い出し、削減の余地がある工程を自動化の対象として選定します。
現場の作業者の声も重要です。彼らは日々の作業を通じて、業務の非効率な点を熟知しています。作業者の意見を反映させることで、自動化の効果を最大化できます。
自動化手段の検討
自動化の方法としては、産業用ロボットの導入をはじめ、コンベアシステムの改良、制御システムの更新など様々な選択肢があります。最適な手段を検討するには、工程の特性を踏まえることが重要です。
例えば、以下のように作業工程の特徴に応じて適切な自動化手段を選定することが求められます。
- 単純作業が多い:ロボット化、コンベアシステム化
- 高度な判断が必要:AI・IoTの活用
- 複雑な動作が多い:人間協働ロボットの活用
また、経済性や導入後の保守運用体制なども十分検討する必要があります。
試験運用と評価
自動化の対象工程が決まり、具体的な自動化手段も検討できたら、次は試験運用を行います。
実際の現場で自動化システムを稼働させ、様々な観点から評価を行う必要があります。例えば以下のようなポイントを確認します。
- 生産性の向上度
- 品質への影響
- 作業の効率化
- トラブルの発生有無
- コストメリット
試験運用期間中は、従来の手作業と自動化システムを並行して運用するのが一般的です。この間に発生した課題を洗い出し、必要に応じて自動化システムの調整を行います。
試験運用は短期間ではなく、一定期間継続して実施することが大切です。この期間を通じて自動化の効果を十分に検証し、本格導入の是非を慎重に判断する必要があります。
本格導入
試験運用で検証された自動化システムの本格導入を行います。この際、段階的に自動化範囲を広げていくことが重要です。一度に全工程を自動化すると、トラブル発生時の影響が大きくなるためです。
例えば以下のように段階を分けて進めましょう。
- 第1段階:最も自動化効果の高い工程から着手
- 第2段階:第1段階の自動化システムの検証・改善
- 第3段階:第2段階の結果を踏まえ、次の自動化対象工程に着手
このように、自動化システムの検証と改善を繰り返しながら、徐々に自動化範囲を広げていくことが大切です。
工場の自動化の課題と対策
工場の自動化を進めるうえでは、いくつかの課題があります。それらの課題と対策について見ていきましょう。
導入コストの問題
自動化には高額な投資が必要です。特に中小企業にとっては大きな負担となります。
対策
- 廉価版の産業用ロボットを活用する
- 段階的に自動化を進める
- 補助金や助成金を利用する
完全自動化の難しさ
人の介在が全くない完全自動化の実現は容易ではありません。
対策
- 部分的な自動化から始める
- 人とロボットの協働を検討する
- AIやIoTを活用し、監視や制御を自動化する
多品種少量生産への対応
自動化システムを多品種少量生産に対応させることは困難な場合があります。
対策
- 柔軟性の高い自動化設備を選択する
- プログラムの切り替えが容易なシステムを導入する
- 汎用性の高いロボットを採用する
保守・メンテナンス
自動化設備の保守や故障時の対応が新たな課題となります。
対策
- 予防保全システムを導入する
- リモートメンテナンス機能を活用する
- 社内に保守要員を育成する
これらの課題に適切に対処することで、より効果的な工場自動化を実現できます。重要なのは、自社の状況に合わせて最適な自動化戦略を立てることです。
工場の生産ライン自動化で見逃しがちな「見えない工程」とは?
工場の生産ラインには意外と見過ごされがちな「見えない工程」が隠れていることがあります。具体的には、次のような工程が挙げられます。
工場における「見えない工程」の例
- 部品の搬送:製品を作るための部品を次の工程へ運ぶ作業
- 工具の交換:機械に使う工具を、作業内容に合わせて交換する作業
- 製品の検査:製品に不良品がないか、一つひとつ確認する作業
- データ入力:生産に関するデータを、パソコンに入力する作業
など
これらの作業は一見簡単そうに見えますが、人手で行うと時間がかかったり、ミスが起こりやすいことがあります。
「見えない工程」を見つけるためのヒント
- 動画で記録してみる:工場の生産ラインを動画で記録し、作業の流れを細かく確認する
- 作業時間を計測:各作業にかかる時間を計測することで、時間のかかっている作業が見えてくる
- 従業員にヒアリングしてみる:実際に作業をしている従業員に、どのような作業が大変か、効率化できる点はないか、ヒアリング
工場の自動化を考える上で、「見えない工程」を見つけることはとても重要です。これらの工程を効率化することで、生産性向上や人手不足解消につながる可能性があります。
自動化を成功させるポイント
現場の声を反映する
工場の自動化を進めるうえで、現場の作業者の声を反映することが重要です。なぜなら、彼らこそが実際の作業に携わり、課題や改善点を一番よくわかっているからです。
例えば、以下のような点に留意する必要があります。
- 現場作業者の疑問や不安にしっかりと耳を傾け、丁寧な説明を行う
- 自動化の検討段階から現場作業者を参画させ、意見を聞く
- 現場作業者の提案や要望を柔軟に取り入れる
このように、現場の声を反映することで、スムーズな自動化の導入と定着が促されます。導入後にトラブルが発生するリスクも下がります。現場作業者の理解と協力が不可欠なのです。
段階的にアプローチする
工場の自動化は一気に導入するのではなく、段階を踏んで進めることが重要です。まずは比較的簡単な工程から自動化を進め、その成果を検証しつつ、次第に自動化の範囲を広げていきます。
段階を踏むことで、トラブルの発生時にも影響範囲を最小限に抑えられ、次の段階に向けた対策も立てやすくなります。また現場作業者の理解や習熟も段階的に進められるため、スムーズな導入が可能になります。
人材育成を行う
自動化を進めるためには、設備の導入だけでなく、運用や保守を担う人材の育成が不可欠です。
自動化設備の操作やメンテナンスについて、社内で教育を行います。例えば、以下のような人材育成プログラムを用意します。
- 自動化設備の基本操作研修
- システムメンテナンス研修
- 実機を使った実習
また、メーカーによる技術支援や外部講師による指導なども取り入れ、段階的に技術者を育成していきます。
人と機械が共存する自動化の現場では、人的資源が何より重要です。質の高い人材を確保・育成することで、自動化を着実に進めていくことができるのです。
コストメリットを検証する
製造現場の自動化には初期投資が必要になります。ロボットや周辺機器の購入費用、設置工事費、プログラミング費用などが発生します。しかし、人件費の削減や生産性の向上などのメリットがあり、中長期的には投資を上回るコストメリットが期待できます。
具体的には、以下のようなメリットがあります。
- 省人化による人件費の削減
- 無人運転による稼働時間の延長
- ミスの削減による不良品の低減
自動化の導入に際しては、工程分析や自動化シミュレーションを行い、具体的なコストメリットを事前に検証しましょう。
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お客様の要望に合わせた細かな機械部品設計も可能です。複雑な形状や精密な加工が必要な部品でも、お客様のご要望を丁寧にヒアリングし、最適な設計をご提案します。
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お客様のご要望に合わせた細かな機械部品の設計も可能です。
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DESIGN CONNECTSは、お客様の製造現場の課題解決と、生産性向上を実現するパートナーとして、全力でサポートいたします。製造工程の自動化や生産性向上にお悩みの方は、ぜひご相談ください。豊富な実績と確かな技術力で、お客様の工場の未来を創造します。
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