【治具】機械設計の基礎知識と試験装置製作の基本的な流れについて

機械設計とは

機械設計とは、具体的な形状や動作原理を持つ機械を設計する仕事を指します。これらの機械は私たちの日々の生活で利用するスマートフォンや自動車から、産業で利用される大きなプラントまで、あらゆるものを含みます。

機械設計の進行プロセスは、大まかに3つの段階から成り立ちます。

• 構想設計：商品の企画に従い、基礎となる設計の構想を練る
• 基本設計：構想を具体化し、詳細な設計に落とし込んでいく
• 詳細設計：具体的な製品製造に必要な設計データや図面を作成

それぞれの設計が完了した後には、デザインレビュー（DR）という設計結果の審査が行われ、問題がなければ次の工程に進むという流れとなります。

試験装置製作における機械設計の重要性

新製品開発や既存製品の品質管理のために欠かせない試験装置の製作において、機械設計の重要性は絶大です。試験装置は一般的な製品とは異なり、特定の環境条件下で特定の試験を行うための専用の装置です。製品の特性を正確に評価するためには、試験装置自体の精度が非常に重要となります。

このような背景から、試験装置製作における機械設計は、非常に専門的な知識と経験を必要とします。機械設計者の役割は、試験装置が求める要件を満たしつつ、製作コストや製作期間、使用環境などを考慮に入れた最適な設計を行うことです。

1．要件定義と試験目的の明確化

試験装置製作のためには、まず「要件定義」と「試験目的」を明確にすることが大切です。これは、試験装置が求められる性能や機能を具体的に理解し、それを適切な機械設計につなげていくための基礎となります。

「要件定義」では、装置がどのような条件下で、どのような性能を発揮するべきかを詳細に定義します。これには、測定範囲、精度、耐用年数、保守性などが含まれます。次に「試験目的」では、その装置が何を目的として使用されるのかを明確にします。これにより、装置が果たすべき役割とそれを達成するための具体的な設計指針を立てることが可能です。

2．機械設計のプロセス

機械設計のプロセスは、大きく「構想設計」「基本設計」「詳細設計」の3つに分類されます。まず「構想設計」では、企画にもとづいて製品の基本的な形状や機能を考えます。次に「基本設計」では具体的な設計を行い、全体の構造や部品の大まかな形状を決定します。

その後「詳細設計」では、すべての部品の詳細な形状、材質、寸法などを決定し、製図を行います。これらの設計が完了した後には設計結果の精査が行われ、評価試験を実施します。この一連のプロセスを通じて、試験装置製作に必要な機械設計が進行します。

3．製作と組立

試験装置製作には、高精度な製造技術と組立技術が欠かせません。機械設計の過程で詳細に計画された設計図をもとに、一品物である試験装置の各部品を製作します。この段階では、素材の選択から加工方法、表面処理まで、設計図に従って丁寧に作業が進行します。

製作した部品を用いて、組立作業へと移ります。各部品を正確に組み上げ、動作検証することで製作完了です。

4．試験と検証

試験装置製作が完了したら、次は試験と検証のステージに移ります。これは製作した装置が、設計通りの性能を発揮し、試験目的を達成できるかを確認する非常に重要なプロセスです。具体的な試験方法は、装置の種類や目的によります。試験と検証を通じて、装置の性能を最大限に引き出し、改善点を洗い出すことが可能です。

DESIGN CONNECTSは自動車や半導体関連の試験装置、搬送装置、組立治具、建築現場で試験活用される作業機器などの機械設計に従事し、幅広くものづくり分野に携わってきた経験から多角的な視点で機械設計提案をいたします。企画から各設計工程、組立、納品など、ものづくりにおける全ての工程を熟知しているリーディングカンパニーだからこそ、多角的な視点での機械設計提案が可能です。長年培ってきた開発スキルにより、打ち合わせからデザインまでの設計の早さに自信がありますので、まずはお気軽にお問い合わせください。